5,お客様を知る・見る・聞く

お客様を知る見る聞く

お客様に「価値を伝える」ことはすごく大切なことであり、コトマーケティング的に「核」の部分でもあります。
ただ、この「伝える」という行為においては、必ず「相手」がいます。
その相手を知らずに伝えようとすると、どうなるでしょうか?

それは、ただ自分がいいたいコトを伝えるだけになる可能性が高い。
相手を見ていないから、相手を知らないから、まったく伝わらないのです。

相手を見る、知る、聞く

価値を伝えるためには、まず相手を見る、知る、聞く。
相手を理解すればするほど、価値を伝えやすくなります。

これを身近な事例から感じ取ってください。
少し前になりますがテレビを買い替えたときの話です。

お客様を知る見る聞く

テレビが「地デジ化」するときに、僕も仕方なくテレビを買い替えようとして、家電量販店に家族と一緒にテレビ見に行ったのです。その当時は、液晶テレビとプラズマテレビという2つのタイプがあって消費者からすれば、何がどう違うのかさっぱり分かりませんでした。

そんな中、自宅近くの家電量販店に行って、テレビの売り場に進んでいくと、ある男性の販売員の方が声をかけてきました。

販売員「(僕の子供を見て)お客様のお子様ですか?」
僕  「ええ、そうです」
販売員「お子さん、まだ小さいんですね、おいくつですか?」
僕  「5歳で、まだ幼稚園なんですよ」
販売員「だったら、テレビの画面とか掌でベタベタ触りませんか?」
僕  「そうそう! 思いっきり触ったりするんですよ」
販売員「実はそれって、液晶テレビの場合、故障の原因になりやすいんですよ」
僕  「えっ!? そうなんですか?」
販売員「なおかつ、保証外ですので、修理費もたかくて」
僕  「えっ! ほんとに?」
販売員「ですので、もしテレビをお買い換えの時はプラズマテレビがおススメです」
僕  「なるほど、そうなんですね」
販売員「お客様によって、選び方も異なってきますので、よかったらお住まいのことや、テレビの使い方などもお聞かせください。」
僕  「へぇ~だったら……」

こうして、僕はいろいろと話を聞き、プラズマテレビを購入したのですが、問題は僕がどのテレビを購入したかと言うことではなく、テレビを購入したプロセスにあります。

「どんなテレビをお探しですか?」
「ご予算はいくらくらいで」
「ただいま、このテレビが当店では人気があって」
(※販売員が言いたいこと)

もし、そんな接客だったら、嫌気がさして買っていなかったはずです。でも、僕はその日に、その接客を通して購入しました。

どうしてか?

状況が見えると、知りたいコトが見えてくる

どうして僕はその接客でプラズマテレビを購入したのでしょう??

①  最初は「相手のコト」に興味を持ち、相手のことを理解しようとする。
→僕の子供を見て、どんな状況か、どんなコトが想像できるかを考えた
② もっと知りたくて話しかけてみる。
→それを確認するために年齢を聞いてみた
③ 興味をもち、深く掘り下げてどんどん聞いてみる。
→困ってるコト、問題になってるコトなどを聞きだした
④ 相手のことが分かるにつれて、お互いの共通項目が見つける。
→困っているコトに対して解決策を伝えることで、よりよいテレビ選びにつながる。
⑤ そうすると、こっちのことにも興味を持ってくれて聞いてくれる。
→販売員が相談相手になり、いろいろな状況を話し、相手の話も素直に聞くようになる。
⑥、どんどん、分かり合えるようになる。
→家の状況を伝え、分かり、そこにピッタリのテレビが選べて満足する。

いかがでしょうか?相手(お客様)を知る、見る、聞くことで、お客様の状況がどんどん見えてくる。そうすると、知りたいコトが見えてくるのです。

どんなに素晴らしい商品やサービスであっても、その価値を伝えようとした時には必ず「伝える相手」がいることを頭の中に入れてください。

相手に価値を伝えるということは、相手の状況、相手の課題や悩み、相手の知りたいこと、を知った上で、どうすれば伝わるかを考えていくことが大切です。

ですから、お客様を知る・見る・聞く。
まずはお客様に興味を持つことが大切なのです。

 

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