広告広報関連の教育会社から、東日本大震災前からずっと講演依頼が続いています。
なぜこんなに長い間ボクに依頼するのか不思議で、一度思い切って聞いたのですが答えはいたってシンプル「参加者からのアンケート点数がトップクラスだからです」…って、担当者がボクを気に入ってくれていたからではなかったのかぁ…(笑)
こんにちは♪ “東北人の商売ゴコロに火を点ける!”コトマーケティング・マスターコンサルタントの米谷仁です。
自分のお店や会社の良いところや価値は、意外に自分たちでは分からないもの。
そんなときは、お客さまに聞いてみるのが一番です。
自社の何を評価しているのか。
どんなサービスを喜んでいるのか。
他ではなくココが選ばれている理由は何か。
全くフツーと思っていやっているコトが実はメチャメチャ喜ばれていたり、これが“売り”だと思っているのに、お客さまの反応は意外に薄かったり。
自分たちとお客さまとの間には、食い違いがあったりするので、「お客さまの声アンケート」を書いてもらうのはとても大切です。
先日、初めて行ったラーメン店には、いろいろなお店でよく見かける、こんなアンケート用紙が置いてありました。
お客さまの声をお聞かせください
本日は当店をご利用いただき、まことにありがとうございます。
頂戴したお客さまの声は、これからの店舗サービスに役立ててまいります。
味、価格、接客態度、提供時間、店内設備それぞれを(良い・普通・悪い)でチェックするようになっていて、下の方には『ご意見やご感想がありましたら、ご記入ください』
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このアンケートで何が知りたいのーーーーッ?
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こういったアンケート用紙だと、書く方もどう書いてイイか分からないから「普通」とチェックしたり、「アンケートに答えると抽選でお食事券プレゼント」なんて書いてあると確率を高めたいという意思が働いて全部「良い」にしちゃったり。
コレって、全然正しい意見じゃないですよね。
せっかく書いてもらうのですから、 意図を持ってアンケートをつくることが大事!!
世の中にはクレームを吸い上げたいというアンケートもありますが、コトマーケティング的には、良かったコト・喜びの声を聞いて、それをもっと伸ばしていく【コトを書くアンケート】をおススメしています。
こんなところが良かった、こんな変化があった、というお客さまに伝わっている「コト」を見つけて、それをもっと増やしていくためのアンケートです。
そのために大切なのは“聞き方”です。
人は聞いた通りに答えてくれるもの。
「お叱りの声をお聞かせください」と聞くとクレームを書き、「喜びの声をお願いします」と聞くとそんなメッセージをちゃんと書いてくれます。
お客さまが何に喜んでいるコト・伝わっているコトを知りたいのですから、それらを書いてもらえるアンケート用紙にするという意図をもって作成するわけです。
もしボクが、コトマーケティング的視点でこのラーメン店のアンケート用紙を作るとしたら、こんな感じ。
(キャッチコピー)
喜びの声を聞かせてください!!
(文面)
こんにちは、店長の米谷仁と申します。
きょうは、数あるラーメン店の中から当店を選んでご来店くださり、本当にありがとうございます!!とっても嬉しいです!
お味やお店の雰囲気はいかがでしたか?お客さまからはよく「深い味でとても美味しかった!」「お店の雰囲気がスキ!」「また絶対に来たい!」など喜びの声をいただきます。
そんなお客さまの声こそが、私の元気の源です!!ぜひあなたの喜びの声もお聞かせください!もっともっとみなさんに喜んでいただけるよう頑張っていきますので、どうぞよろしくお願いいたします!
ね!!
こう書かれると、良かったコト・嬉しかったコト・感動したコトなどを、何とか探し出して書こうというキモチになるでしょ♪
「そんなアンケートじゃ問題点が隠れてしまうのでは?」と思うかもしれませんが、ダイジョーブ、「ココだけ少し改善したらカンペキです」って、必要なクレームは小さく、しかも前向きに、ちゃんと書いてくれますから(笑)
自分のお店や会社の良いところや価値をお客さまに教えてもらい、それをPOPやチラシやに入れたりキャッチコピーにしたりするコトで、それが他の人にもっと伝わるようになり、結果として選ばれやすくするのが【コトを書くアンケート】の目的です。
商売繁盛のヒントや答えは「お客さまの声」の中にたくさんあります。
お客さまは自社の何に喜んでいるのか、どんなコトが伝わっているのかをアンケートで確認し、それをさらに伸ばしていきましょう♪
えっ?冒頭の、点数がトップクラスだった教育会社のアンケートってどんな内容だったのかって?
実はコレ、受講者に5段階評価で付けてもらっているアンケート★
回答の平均点数で講師評価が決まるという仕組み。それで何年も講演依頼が来ているのはありがたいことですが、できれば【コトを書くアンケート】に変えてほしいと心から思います…^^;
1961年、宮城県仙台市生まれ。
広告代理店デザイン室(東京)、印刷会社企画室(仙台)を経て独立。以降『売れるデザイン』『人が思わず反応する販促ツール』をつくるために実験を重ねる。精度をさらに高めるため、2010年有限会社感動販促研究所設立。草食系マーケティング・デザイナーとして企画、デザイン、講演、執筆、コンサルタントとして活動し、2016年コトマーケティング協会マスターコンサルタントに。