くちびるがカサカサ…笑うとピキッと唇が割れる季節なので、さっそくリップクリームを買いにドラッグストアに行きました。売場を見てビックリ!100円未満から1,000円を超えるものが大量に並んでいて、まったく選べない…。結局は大手メーカーの聞いたことがある商品にしてしまいました。ボクに必要な理由が伝わったなら、少し高くても買うのにね。
こんにちは♪“東北人の商売ゴコロに火を点ける!”コトマーケティング・マスターコンサルタントの米谷仁です。
ここは街の繁華街から少し外れた場所。
県庁やお役所などがあり、事務所なども多い地区で、日中はランチ営業、夜はワインやお酒を出すような飲食店がたくさんあります。
今夜はゆっくり飲もうと、お客さまと夜にこのエリアを歩いていると「今度このビルの一番奥にオープンした居酒屋です!よかったら、ぜひどうぞ!」とチラシを手渡されました。
わぁ~おっ、完全手書き!!ある意味スゴイ!
急いで作った=今しがたオープン=きっと他とは違う何かがあるはず♪
そんなワクワク感を持って見てみると…
藁焼・炭火・魚
(店名)
☆Lunch 11:30~13:00 不定休
・海鮮丼
・カツカレー \500
☆Dinner 17:00~ 不定休
・新鮮な刺身 \580~
・自家製… (以下メニュー+値段)
忘年会のご予約お待ちしてます。
ホットペッパー掲載中!!
TEL.022-000-0000
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知らない店に行く理由が見当たりませーーーーんッ★
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この辺りには人がたくさん入っているお店や、魚が泳ぐ水槽が見える“新鮮さ”を売りにしている和食系のお店もたくさんあります。
特にココでなければ食べられない食材や料理でもなさそう…
おぉっ「藁焼(わらやき)」がある!
過去にどこかで食べましたが、これが実に美味くてビックリしたことを思い出しました!!
新鮮なカツオを金属の串にさして、囲炉裏に藁を置き、天井まで上がる勢いの炎で表面を焼き、藻塩をパラパラと振りかけて食べる、あの「カツオの藁焼き」だ!!
…あれっ、こんなにおいしいのに、そしてパフォーマンスも見どころ満載なのに、メニューのひとつとして並んでいるだけで、特に押してもいない…
タイトルに大きく書いてはあるものの、意味不明…
同じような飲食店がたくさんある競争の激しいエリアに、新しくオープンしたわけです。
しかもビルの一番奥ということは通りすがりの人が入れるお店ではなく、だからこそビルの前でチラシを撒いている。
でも残念ながら、このチラシからはわざわざお店に行く理由が全く伝わってきません。
行く理由がわからない。
だから行かない。
完全に【情報不足】…せっかくチラシを作って撒いているのに、もったいないですよね★
では改めて考えてみましょう。
このチラシを渡す人(ターゲット)は、誰でしょうか?
たとえば仮に…
【「どのお店に行こうかな…」と考えながらこのエリアを歩いているビジネスマン】
という感じに絞り込んだとします。
このターゲットの人たちは…
●どんな情報に興味あるのか
●どんな情報を探し求めているのか
●どんなコトバに反応するのか
ターゲットに届けるためには、その人たちのキモチに寄り添って考える必要があります。
たとえば、こんなキャッチコピーのチラシならどうでしょうか。
(キャッチコピー)
至福の美味しさを求めてさまようあなたへ♪
(リードコピー)
【注意★】コレ食べたらきっと、また来ちゃいます…
大人気・ほっぺが落ちる「カツオの藁(わら)焼き」!!
開店1カ月で注文率92%・リピート率89%、
炎が天井まで上がるパフォーマンスは必見です!
(本文)
料理長が毎日市場に足を運んで仕入れる魚たち。
だから身がしまってプリップリッ!
刺身の分厚さが自慢!「カツオの藁焼」が大評判!
14席の小さいお店でゴメンナサイ…でも現在空きアリ♪
この奥、歩いて36歩!!「チラシ見たよ」と今すぐお越しください!
……ねっ、思わず行きたくなるでしょ♪
何がいくらで食べられるかがチラシに載っているだけでは、他のお店との違いが分かりません。どこでも食べられそうなメニューなら、いつも行っているお店でいい。初めてのお店は何もかもがよく分からず外れる危険性もある。わざわざそんなリスクを冒す必要もない…だから行かないわけです。
このチラシの使命は「近くを歩いているお客さまをお店まで連れてくる」こと。
あるいは「その人の印象に残し、次回の候補店1位にランキングさせる」こと。
そのために、見る人が興味あるコトバや情報を載せ、さらには人間なら誰もが思わず反応してしまうキーワード「今だけ・ココだけ・あなただけ」も伝えていくことで、ターゲットが行動してしまうよう演出していくわけです。
行くお店が決まっている人は、その日にスグ来てくれないかもしれませんが、次の機会に、誰かを連れて来店してくれる可能性だってありますからね。
ターゲットは誰なのか。
その人はどんな情報が知りたいか。
どんなコトバなら反応してしまうのか。
これらをシッカリと意識し、見る人のキモチを激しく想像しながらその気持ちに寄り添い、その人たちが知りたい・興味ある・必要としている、ほしい情報を載せて来店する理由を伝えることが、売上・集客に直結します。
ぜひやってみてくださいね~♪
1961年、宮城県仙台市生まれ。
広告代理店デザイン室(東京)、印刷会社企画室(仙台)を経て独立。以降『売れるデザイン』『人が思わず反応する販促ツール』をつくるために実験を重ねる。精度をさらに高めるため、2010年有限会社感動販促研究所設立。草食系マーケティング・デザイナーとして企画、デザイン、講演、執筆、コンサルタントとして活動し、2016年コトマーケティング協会マスターコンサルタントに。