売れるDM: ターゲットを絞り、寄り添い、呼びかける♪

この時期は一年のうちで一番暑い…。いくらみちのくとはいえ、連日32℃~37℃、人の体温並みの暑さが続いています★
こんにちは♪“東北人の商売ゴコロに火を点ける!”(…ってこの時期は日に近づきたくありませんが…)コトマーケティング・マスターコンサルタントの米谷仁です。

事務所に届いた、いわゆる「タウンプラス」と呼ばれるDM。
顧客リストがなくても、近所のポストに届ける郵便局のサービス。

「仙台市若林区にお住いの皆さまへ」

なるほど~、顧客リストはないけど地域の人に届けたいので媒体の選定は的確だと思います、まずは近隣の住人や、そのエリアにある事業所で働いている人をターゲットにしたいわけですからね。

で裏面は…

薬事法の規制などもあり、病院の特徴や“ウリ”について、なかなかプッシュしにくいのは事実。
ですので、ココでは表面のごあいさつについてチェックしてみたいと思います。


(キャッチコピー)
暑中お見舞い申し上げます。

(ごあいさつ文)
暑さが厳しい毎日ですが、いかがお過ごしでしょうか。
地元の皆さまに支えられ、●●区●●町の党員に続き、この●●区にも6月より開院させていただき、誠にありがとうございます。
当院では治療はもちろん、歯周病や虫歯の予防対策のご相談もお受けしています。
気温の変化が激しい時期ですので、どうぞご自愛ください。
不安を抱えていらっしゃる皆様が、安心してご来院いただけますよう、スタッフ一同笑顔でお待ちしております。


なるほど、悪くはありません。
2つ目の病院だというコトで安心感を伝えています。
予防の相談も受付しているというコトで歯科医療に対する姿勢も伝えようとしています。

でも、惜しい…

せっかくタウンプラスでエリアの人々に発信しているのに、これだけだと、地域に新しくできたこの歯科医院に行く理由がよく分かりません。
だって歯科医院って、行かなくて済むものなら行きたくない場所。あまり興味もない。
だからもしかするとせっかくDMを送っても、全く目に入っていないのかもしれません。
結果として、全く反応の悪いDMになってしまうわけです。

もしボクが作るとしたら、このシナリオをちょっとだけ変えてみます!
もちろん、まったく依頼などされてはいませんけどね…(笑)


(キャッチコピー)
歯医者になんか行きたくない!!というあなたへ!

(リードコピー)
それ、とっても正しい考え方だと思います。
シッカリ予防して、歯医者になど無縁でいてください!

(ごあいさつ文)
こんにちは、6月にこの地で開院した●●歯科医院・院長の●●と申します。
「歯医者なんて、行かなくて済むものなら行きたくない」…ですよね、わかりますそのキモチ!私も小さい頃にかなり痛い思いをして、歯医者が大キライでした。「痛くない歯医者があったらなぁ…」そう思ったのが、歯科医を志したきっかけなんです。
何とかその夢がかない、痛みのない歯科治療が出来るようになりましたが、多くの患者さんと接している中で一番大切なのは、実は虫歯にならないための“予防医療”であるというコトに気がつき、現在はそこに一番力を注いています。
いつまでも自分の歯でモノを食べられる嬉しさ。健康長寿の現代社会だからこそ、歯を大切にしていただきたい…心からそう願っています。
まずは一度、歯の健診に来てください。明るいスタッフたちとともにお待ちしています!
(スタッフと一緒に、先生の笑顔の画像を掲載)


ねっ♪ 印象が全然ちがうでしょ!!
少しシナリオを変えただけ。

(Befor)
開院ごあいさつ ⇒ 業務内容説明 ⇒ 行動を促す

(After)
開院ごあいさつ ⇒ 見る人のキモチに寄り添う ⇒ 歯科医になった理由 ⇒ 歯科医としての気づき ⇒ 問題解決方法を提示 ⇒ 行動を促す

そうなんです、新しい歯科医院ができたからといって、できれば行きたくなんかありません。痛いし、お金と時間がかかりそうだし、何となく怖そうで、もう不安だらけ…。

そんな人々のキモチに寄り添い、ひとつひとつ不安を解消してくれて、高い技術もさることながらなぜ開業したのか、どんな考え方で治療に当たっているのかなどの熱い思いが伝わって初めて共感が生まれ、それなら…と行動に移すようになるわけです。

コレ、何も歯科医院に限ったことではありません。

飲食店も、ガソリンスタンドも、コンビニも、B to Bをメインとする企業だってそう。
人はどこで買ってもイイし、どこからも買わないという選択があります。

でもできるなら、思いに共感できる“プロ”に依頼したい、どうせ買うなら誰よりもそれが大好きで誰よりも詳しい人から買いたいと思っています。そしてそんな人を応援したくなるものなんですよね。

ターゲットを絞り込み、その人たちのキモチに寄り添い、プロとしての意識と情報を持ちながら直接呼びかけていく。
それが販促ツールの反応を良くする基本です。

暑中お見舞いだって立派な販促ツール。
どうせ暑中お見舞いを送るのであれば、ただのごあいさつで終わらせず、暑いこの夏だからこそ熱い思いをシッカリ伝えて、人々に喜んでいただきながら成果を上げて参りましょう、盛夏だけに…♪

 

 

米谷 仁

1961年、宮城県仙台市生まれ。
広告代理店デザイン室(東京)、印刷会社企画室(仙台)を経て独立。以降『売れるデザイン』『人が思わず反応する販促ツール』をつくるために実験を重ねる。精度をさらに高めるため、2010年有限会社感動販促研究所設立。草食系マーケティング・デザイナーとして企画、デザイン、講演、執筆、コンサルタントとして活動し、2016年コトマーケティング協会マスターコンサルタントに。

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